おんなの目で街を創る会
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  1998年12月22日 読売新聞

大阪市地下鉄 女性の視点で改善策
駅長室をオープン 使用済み切符トイレ紙再生


 地下鉄駅長室の開放、切符の再生利用、駅マップの配布―。大阪市の地下鉄全駅を検証している市民グループ「おんなの目で大阪の街を創る会」(三好桂子代表、17人)が、2年がかりで足を運んでチェックした結果を基に、13項目の改善提案を報告書にまとめた。新年早々、大阪市交通局に「市民提言」として提出する。
 同会は、街づくりを考えようという30−70歳代の女性17人で、5年前に発足。会員の1人の「年をとると地下鉄を利用しにくい」という言葉をきっかけに、全駅の検証を始めた。
 車いす用トイレの有無や手すりの使いやすさ、階段の傾斜と段差、改札の通りやすさ、掲示板の見やすさなど97項目の点検表を作り、1駅当たり約2時間かけ、2年間で111駅すべてを見て回った。
 「表示板が不統一」「トイレが障害者には使いにくい」「料金表が見にくい」など、駅ごとに浮かび上がった問題点を基に、コンサルタントの協力も得て、解決策を検討。今後、具体的に改善できる方策として「サインのあり方」「構内の歩きやすさ」「ボランティアの活用」など13項目に分類した。
 「維持管理」の項目では「年間100トン出る使用済み切符を再生してトイレットペーパーに」。「PR」の項目では「駅長室にある車いすや防犯ブザーの貸し出し制度を乗客にもっと知らせる」。「すぐにとりかかれること」の項目では「駅長室という名称が近寄りにくくしている。お客様情報センターなどと改称し、もっとオープンに」などユニークな発想が並ぶ。
 一方、利用者側の問題も大きいことがわかり、マナーの項目では「車いす用トイレにいたずらをしない」「禁煙を徹底する」などの注文も含めた。
 まとめに当たった代表の三好さん(62)は「自分たちで見たものを、こう改善してもらえたら、という発想でまとめた。高齢化社会を前に、バリアフリーの社会づくりの参考にして欲しい」と話している。


※この記事は、読売新聞社の了解を得て、全文そのまま、打ち込みなおしをしています。
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