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市民の声で天王寺動物園改革
新サービス登場 質問を書くノート 案内付きツアーなど
来園者に親しまれる施設をめざし、大阪市天王寺動物園が様々なサービスを開始。動物に関する素朴な疑問などを自由に書き込んでもらい、分かりやすく回答する専用のノート「通心ノート」の備え付け、飼育担当者が園内をガイドする「飼育係のおしゃべりガイド」など。これらは市民グループ「おんなの目で大阪の街を創る会」の声を反映させた改革の一環。昨年度の来場者が10年前の約7割にまで落ち込んだ動物園側が「財政難の折、金を掛けないで魅力ある施設をつくるには、利用者側の視点にたった細かなサービスが必要」として、同会に協力を依頼し、55項目の要望が集まったという。
「鳥はなぜ1本足で立つの?」通心ノートに書き込まれた5歳の男の子の質問。飼育担当者は早速回答欄に書き込んだ。「ずっと2本足で立っていると疲れるし、体が冷えるからです」。ノートは現在園内の5箇所に。誰でも自由に書き込める。日によって質問があったりなかったりだが、数は少しずつ増えているという。
今年6月からスタートした「飼育係のおしゃべりガイド」。「カバは出産や授乳を水のなかでします」といった説明を受けながら観察できるため、30人の定員はすぐに埋まる。「現在は月1回だが、回数を増やしたい」と飼育歴31年の丸本守さん。
このほかに、いたずら防止のために撤去していたトイレットペーパーを再設置。「子どもにも分かるように説明ビデオにふりがなを付けて」「双眼鏡を貸し出してほしい」「プラスチック製のベンチより木製の方が落ち着く」などの要望もあり、動物園としてはできるところから実現させたい意向。
地下鉄や再開発にも市民の声を活用
神戸市のJR新長田駅前の再開発事業や大阪市交通局で進められているバリアフリー化など、市民の声を丹念に拾い上げ、「利用者にやさしい公共の場」を目指す取り組みは近畿各地の自治体で広がっている。
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