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市民活動の方法指南のため、前線の声を生かした入門書作成
行政と市民の連携 珍しい試み
大阪市は市民グループやNPO(非営利組織)と連携して、市民活動を始めたい人たちに向け「入門書」を作り、市の出先機関などで閲覧してもらうことにした。2つの先駆的なグループ、「おんなの目で大阪の街を創る会」(小山琴子代表)と、「関西生命線」(伊藤みどり代表)が来春までに活動をまとめる。
「創る会」は、1993年に設立。これまで市営地下鉄全111駅の利用しやすさを調査するなどの実績があり、市民の視点から運営改善を提言する活動をしている。
入門書には、2000年から取り組んでいる天王寺動物園のあり方調査を掲載。動物園をテーマに選んだ経緯、現地調査やアンケート調査の手法、「ワークショップ」の進め方などについて記述する。活動の障害となった問題点やその克服方法など、体験を生かした本にする考え。小山さんは「私たちも活動を始めたときは手探りの連続だった。これから始めるグループの手助けになる本にしたい」と話す。
一方、「生命線」は1990年から、国内で初めて台湾語、北京語による在留外国人の悩み電話相談を実施している団体。医師や弁護士らと連携し、直接、家庭を訪れることもある。本の中では、外国人を対象とした活動をするうえで、言葉や習慣の違いから生じる問題の具体例や、注意しなければならない点などに触れる予定。
本づくりには、大阪市立総合生涯学習センター(北区)が協力。同センターや市の各出先機関などに置き、希望者が自由に閲覧できるようにする。同センターは、この入門書による市民活動のすそ野拡大に期待している。
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